鍼灸治療(しんきゅうちりょう)は古来より日本で利用されてきた伝統的な治療法です。現代でもスポーツ選手や身体に悩みを抱えた多くの方々に利用されています。特に日本の国民病とも呼ばれている肩こりや腰痛を和らげる治療法としても認知されています。鍼灸治療は一見すると痛そう、火傷しそうなどと、不安に思う方もいらっしゃいますが、安全性の高い治療法ですので痛みや火傷の心配はありません。今回は肩こり・腰痛のときにおすすめの鍼灸治療についてご紹介します。肩こり・腰痛でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも鍼灸治療とは
鍼灸治療とは、身体の症状に合わせて鍼(はり)やお灸(きゅう)で適度な刺激を与え、身体の改善を促す治療法です。皮膚組織に少しだけキズをつけることによって中の細胞が活性化し、本来持っている自然治癒力や免疫力を高めます。治療だけでなく病気の予防にも有効です。
鍼はさまざまな種類があり、お客様に合わせて長さ・太さが選べます。病院で使われる注射針より三分の一程度の太さしかなく、皮膚に与える影響も少ないです。鍼の刺し方としては、鍼管と呼ばれる筒状の棒の内部に鍼を入れてから、トントントンと皮下に切皮(せっぴ)・刺入(しにゅう)します。鍼管を使うことで痛みを和らげ、初めて利用されるお客様も痛み・安全性に関して心配ありません。また、滅菌済みの使い捨て鍼を利用しているため、感染症やそのほかの衛生面も安心です。
お灸を使った治療法は、艾(もぐさ)と呼ばれるヨモギを乾燥させて線状にしたものを使って、身体のツボに刺激を与える方法です。基本的にツボの大きさは500円玉程度で、有効なポイントは人によって異なります。艾が大きな火力を必要とせず、鍼治療との相性が抜群です。
肩こり・腰痛の原因はさまざま
肩こりは今や国民病とも言われており、悩まされている方は少なくありません。会社で働いている方だけでなく、学生も増えてきています。肩こりの原因は運動不足や眼精疲労といった日常生活によるものがほとんどです。日常生活を見直して改善するだけでも、肩こり予防につながるかもしれません。また、腰痛の原因は腰の筋肉の疲労や骨の老化によるものが多いです。普段から姿勢を美しく保つことを意識し、立ち上がるときや屈む体勢に気をつけますと、身体にかかる負担が軽減されます。
自律神経の乱れも肩こりの原因になります
肩こりの原因として最も多いのは長時間同じ体勢が続き、首や肩周りの筋肉が長時間緊張してしまうことです。仕事でデスクワークをしている方はもちろん、移動中や室内でも長時間スマートフォンやパソコンを操作している学生も含まれます。さらに、パソコンやスマートフォンを長時間見ていると目の筋肉が緊張・疲労し、眼精疲労による肩こりにつながることも少なくありません。また、普段から身体を動かすことが少なく、筋肉が使われていない場合も、筋肉が緊張して血行不良になるため肩こりの原因になります。
さらに、肩こりは肉体的なストレスによるものだけではありません。人は精神的にもストレスを感じますと、自律神経の働きによって筋肉が緊張してしまいます。長期間ストレスにさらされますと、過剰な緊張状態が続いて肩こりが慢性化するケースも多いです。自律神経は気温が低い環境で過ごす場合も、筋肉を緊張させる働きが活発化することがあります。
いずれにしても、肩こりは普段どのような環境で過ごしているかが非常に重要です。血行改善のために運動したり、身体に負担がかかりにくい姿勢を普段から意識してみましょう。
腰痛の原因は疲労・老化によるものがほとんど
腰痛の原因は肩こりと同様に、筋肉の緊張や筋力の低下によるものが多いです。ただし、エックス線やMRIなどの検査をしても、痛みの原因場所を特定できない場合が多く、これは非特異的腰痛と言われています。ぎっくり腰や捻挫もこの類です。急な動作をしたときなどに起こりやすく、身体に負荷のかかる仕事や運動をするときは、十分気をつける必要があります。厳密にどこが痛んでいるのか断定しにくいやっかいな症状ですが、しっかりセルフケアをしていれば短期間で改善されるケースが多いです。
また、女性特有の原因として、妊娠・生理中の身体にかかる負担が挙げられます。特に妊娠中は身体の重心が妊娠中でないときと変わりますので、腰に負担のかかる体勢になってしまいがちです。さらに、出産後は家事・育児に追われ、肉体的にも精神的にも負担がかかりやすく、慢性的な腰痛を引き起こしてしまいます。更年期にはホルモンバランスの乱れで腰痛を発症することもあり、これらを考慮すると腰痛は女性に多い症状ということが伺えます。
肩こり・腰痛に対する鍼灸治療とは
肩こり、腰痛には鍼灸治療がおすすめです。深層筋まで届き原因箇所にアプローチできる技術だからです。コリや痛みを起こしている筋・筋膜、その原因となっている筋肉に対し、直接働きかけることができます。
狭心症や椎間板ヘルニアなどほかの病気に誤診されるほどの慢性的な強い痛みの原因は、ひどいコリである場合も実はあるのです。痛いところにマッサージをしても、温泉に入っても、注射をしても、手術をしても治らないとき、鍼灸治療が効果を発揮することがあります。
まとめ
肩こり・腰痛は放っておくと痛みを感じるだけでなく、血行不良による心筋梗塞や狭心症、ヘルニアや骨粗鬆症が発症する原因にもなりかねません。毎日元気に過ごすために、健康を意識した生活を心がけましょう。
肩こり・腰痛でお困りの方は、ぜひ「千里接骨院」の鍼灸治療をお試しください。安全面・衛生面の配慮を徹底し、どなたでも気軽に利用できる鍼灸治療をお届けしています。そのほか身体に関するお困りごとがありましたら、私たちにご相談ください。